日本一有害で怪しい朝日新聞の論説をするというこの方を、私は別に信用はしているわけではない。
だが、下重氏の言うようにアメリカの民主主義を絶対的な価値として中東はじめアフガニスタンなどで展開し失敗したといえる。
下重氏は「カイロに半年暮らした経験からすると、全く価値観の違う文化を理解せずに、民主化など、大国の主義を押しつけることは出来ない。」というが的を得ていると思う。
それは目にも鮮やかな事実だろう。
いわば20世紀から21世紀の十字軍だ。世界の警察などと言われてアメリカの支配を広めてきた。ブッシュ大統領は実際そういうことさえ口にした。
かっての十字軍がキリスト教の布教を名目としながらもろくなことをしなかったのは歴史にみるところである。
アメリカ軍の兵士が不品行だあったとは決して言わない。
対するにイスラム過激派の残虐性は目に余るものも多い。
だが絶対の正義、絶対の理想と思われたアメリカ型民主主義の布教は失敗した。
同時にアメリカの世界支配も終焉に向かっている。
一番最初にそれが露わになったのはトランプ前大統領の登場であり、彼を送り出した国民だと思う。
トランプ氏は「よその国はよその国でやってくれ。大事なのはこのアメリカだ。」と主張した。日米安保もやめるようなことまでにおわせた。
結果、「やめないで!」という日本側の懇願の結果。莫大な費用が請求しなおされて続いている。
そういううまみを別にしたらよその国にかまうだけの国力はもうないからだろう。
バイデン氏はスタイルは違うがその延長にあると思う。事情は同じだからだ。
これをもって良くも悪くも民主主義の自由と平等よりアフガンのイスラム教という宗教が勝ったのだと思う。
私は宗教に携わる身であるが別にそれを喜ぶわけではない。
同じように民主主義は共産主義という宗教と国家主席という神を頂く中国にも通用しがたいようだ。ただ中国の場合は共産主義の説く平等はもはやどこにもない。
莫大な富を集める共産党とその庇護を受ける資本家の支配する国だ。
利権を手にした彼らには民主化など敵でしかない。
一番うまく染まったのは日本だろう。
それもアメリカ型ではなくアメリカ服従型に作られている。
いまだにアメリカの作った憲法を宗教の様に大事にしている。
多くの人がそれを守ることが、そのまま自由と平等を守ることだと自らに深く深く摺り込んで疑わない。というよりそれからぶれることを恐れている。
日本国憲法の歌う自由と平等は錦の御旗 黄門さまの印籠だ。
憲法は神聖にして侵すべからずだ。
まあ、それもいいだろうがもういい加減自分の頭で考えたらどうだろう。