医者の検診に行くまで間があって映画「呪術回戦」を見ました。
「鬼滅の刃」と並ぶ人気コミック。
「少年ジャンプ」はやるねえ!いいネタ持ってるわ。
さて強力無比な呪力を秘めながら気の弱い主人公 乙骨憂太は都立高等呪術学院に入学、同期の禅院真希に「あんた、いじめられてきたでしょ。」とすぐに見破られる。
真希は「受け身の生き方しかしてこなかったからそうなったのだ!:」と言い放つ。
これは実に穿っている。いじめられてきた人は善良だが何も前向きにして来なかった人が多い。
善良だと言っても実際は善事を強力に推進する人でもない。
事なかれ主義なだけだ。
そういうバイタリティがあればいじめられても黙ってはいない筈だ。
なにごとにも迫力がなければはじかれる。
そういうものだ。
なおここで登場する人の呪いの凝ったもの「呪霊」は私が日頃思っている「妖怪」いう存在と変わらないと思った。
正体は人のマイナスの残留思念だ。
その凝ったものだ。もう特定の相手を恨む記憶などない存在。
そこは怨霊とは違う。
ただ強い憎しみのみで構成されている。相手は選ばず誰でもいい。
誰にでも出会えば祟る。
師から聞かされていた「七人みさき」はそういうもののひとつ。
七人まで引きずり込んで殺すのでこの名がある。
日本各地にそういう伝承はある。
乙骨君は話の中で実は菅原道真の子孫と明かされる。
彼の呪力の本源はそこにある。
このアニメでは菅原道真は本来の三大怨霊のひと柱として語られる。
御霊神である崇徳上皇・平将門に並ぶ存在だ。
だがそんな道真公が妖怪ではなく神なのはそこに事実ではない讒訴や妬みから人を陥れる行為を憎むという「義」があるからだ。
妖怪にそれはないのだ。あくまで私的怨恨の寄せ集めだ。
御霊神とはそこがちがう。