面炎鬼王という餓鬼のボスがいる
餓鬼が食べものを食おうとすると焔に変じて食べられない。
でもひもじいからそれでも食おうとはする。だから顔が焼ける。
それで炎面鬼王という。日本では馴染みがないが中華圏では知られている。
施餓鬼にはしばしば位牌が祀られる。
この鬼の王は実は大菩薩だ。
餓鬼は供養してあげるのだという普通の感覚から一転して供養させていただくことになる。
私たちが施餓鬼の徳分福分を積めるのも餓鬼がいるからこそと考えれば「餓鬼大菩薩」だ。
観音が餓鬼になって私たちのつたない供養を受けてくれるのだ。
鎌倉中期の名僧、興正菩薩叡尊には非人信仰があった。
名前もなく家もなく、人数ならぬ身の人々を文殊菩薩として供養礼拝した。
供養してやるのではない、させていただくのだ。
その考えが炎面鬼王でもいっしょである。
そこにまた施餓鬼の意味が変わってくる。
徳の積み方も変わる。
お施餓鬼は下記から