金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

まあ、お茶でものみながら

地上の星

「星を拝む理由は何ですか?」と聞かれた。 星供の祭文では天上の星は皆五姓にわかれて人と現れるという。 要するに星供養で拝むのは実は天の星ではない。 星に象徴されるわれわれの本来持つ宿業なのだ。 そのパターンがザックリ言えば九曜星。生まれ年によ…

悩みがないのと幸せであるのは別なこと

昔の事。 あなたはなにか悩んでいることないですか?と宗教の勧誘をされた。 まあなくもないけど・・・・というと「そんなのうちの神様なら一発言で解決です」という。 「悩みあるんでしょう?そんな信仰は無意味ですよ、だって解決できないから悩んでいるで…

全て一期一会

今年は多くの方が亡くなられた。 想えば全て一期一会 遠近親疎のへだてなく。 親子だとて別れが来ない道理はない。 夫婦もそうだ。 友もそうだ。 ワンコもニャンコもそうだ。 全て去っていく。 私もまた去りゆくもの。 どなたもかけがえのない、もう二度と出…

霊界=死後の世界じゃない

私たちが死後の世界と言っているのは、死んだ方の記憶と「宙宇」にいる期間の霊の様子です。 それは次の転生までに待機しているところと言います。 それはまだこの世に近いんですね、 つまり死んで普通四十九日で納骨しますがその間、霊魂はまだ家にいるとい…

常楽我浄の信仰

良くないことが続くとへこむのは誰でも同じですね、 打ちひしがれても 自分お値打ちなんかないと思っていても ああ、つくづく自分なんかダメ・ダメだという時でも・・・ 変わらないものは常住の仏性。 常住の仏性って何? 何ということはない、自分の中の仏…

医師は患者を治さないといいますが

よく医師自身が「医師は患者を治さない。なおるのを助けるだけ」という言葉を聞く。 おなじように行者も信者を救ったりはできない、信仰者が秘めた自らを救うための力を呼びさますだけだと思う。 例えば東大に行きたいといってもそれだけの基礎学力が内側に…

人の一生は

「人の一生は重き荷をおうて遠き道を行くがごとし、不自由を常と思えば不足なし。」という家康公の遺訓は痛く私には心に響く。 天下人が不自由を常と思えば・・・といっているのだ。 信仰の道も同じ。 人はなにかしらの重い荷物を負うものだ。 いくら拝もう…

今日も明日も矛盾の大悲を生きる

今日も五戒のお授けをさせていただいた。 その第一は殺生戒で僧俗一貫の戒である。 にもかかわらず先ほど風呂場でお湯にはいり湯があふれて流れ小さなゴキブリが死んだ。 私は48度という高温を好むのでたいがいの昆虫などは死んでしまう。 又昼間は輪ゴムで…

東京第一 霊的防衛の要衝

oomorigijyou.hatenablog.com 私は靖国神社があるからかこそ東京は、そして日本は守られていると思っています。 一番戦争の悲惨さを知っている人たちです。 一番戦争したくない霊魂が集まっている場所です。 戦争が起きず、国が守られているのは実に英霊の守…

延命十句観音経講話 5

念念従心起 念念不離心 信仰しても疑問はいつまでもなくならない。 なくなったというのはそういうことにしているだけだ。 さらに面倒なことに頭でわかったと思ってもわかっているとも限らない。 疑いの中の信仰。 それでも続ける信仰。 それが「念念従心起」…

延命十句観音経講話 4

奴僕朝念観世音 暮念観世音 朝な夕なに観世音を念じる。 ただ祈願するとかではなく、観世音を思い起こす。 こころに観音様の居場所がある。 「そうだ、私には観音様がいるんだ!」 そこまでなればやっと信仰らしいものになる。 困った時も泰然としていられる…

延命十句観音経講話 3

仏法僧縁。常楽我浄。 この仏法僧縁は仏法相縁とかいたものもあるといいます。 ですが私はやはり仏法僧縁でいいと思います。 仏である大聖釈尊が世にいでたまいて、法を説かれ、それを連綿として伝えるのが僧侶です。 ですから仏法僧縁でいいのです。 僧への…

延命十句観音経講話 2

与仏有因。与仏有縁。(よぶつういん。よぶつうえん。) 仏と我との出会いは原因がある。 業業流転の際にも仏教の種があって、はじめて今このお経を聞くことができた。 あうことができた。 でもドンドン時代をさかのぼれば仏教がない時代まである。 ではその…

延命十句観音経講話 1

僅か十句の短いお経 だがここに観音信仰の神髄がある。 そのむかし霊元天皇が霊空和尚に一切経中の白眉として選ばせたという。 僅か四十二文字 観世音。南無仏。(かんぜおん。なむぶつ。)与仏有因。与仏有縁。(よぶつういん。よぶつうえん。)仏法僧縁。…

観音信仰の幸せ

観音様を信仰して幸せになれますか? 観音様を信仰していること自体に喜びがなければどんなにご利益を頂いても本当には幸せとは思わないだろう。 これは長らく信仰しないとわからない。 だから一年だけ信仰したいなんて人はお断りしている。 何か勘ちがいし…

「幸せとは何か」を知る

「人間は幸せになるために生まれてきたんです。」なんて言うけどそうは思わない。 多分人間は余裕のある時にそういう考えが生まれるんでしょう。 あるいは願望か? 今日一日生きるのが精いっぱいの人の方がはるかに多いんです。 それを知らないのはおめでた…

仏教の提唱するネガティブシンキングで生きる

よくスピリチュアルな方や心理系の方は「ポジティブシンキングでいこう!」なんていいますよね。 かたや仏教ではこの世は苦の娑婆と言います。 「一切皆苦」というのがテーゼですから。 でもポジティブシンキングもいいけど。やり通すと疲れてくる。 なぜな…

例外には例外の理由がいる。

全く縁もない方で、「講員さんしかダメというけどそこをなんとか、特別にお願いしたいんです!」という方がたまにいますね。 破門殺除けだの、聖天浴油だの。 まあ、いろいろある。 でもそれはしない。 困っているのに無慈悲だと言われるのも心外だから、そ…

預言的なものは

news.yahoo.co.jp 宗教にせよ哲学にせよ、預言的なものはよきものをもたらさない。常を生きる知恵こそもらわなければ。 我々の生きるいつの時代にもメシアも仏陀も現れない。共産主義者の理想も同じ。世界の完全な平和も同じ、いつまでもならない。 そのよう…

無我相禅

無我相禅 無我になろうとしているのは誰か? 無我になる必要などない。 無我は本来の姿でしかない。 ただ放下すればそうなる。 別に全然たいそうなことをするわけではないのだ。 たいそうなことをしようとする計らいはここでは邪魔でしかない。 花や蝶はその…

自分を愛せないという人は

自分を愛せないんです!という人 よく自分を愛せない人は他人を愛せない というが、それは逆もまた真なり。 自分を愛したいけどどうしていいかわからない。 一生けんめい自分を愛そうと努力する。 それ大きな間違いです。無駄です。 そういう人は周囲を愛す…

空と妙

ある禅師来りて今日は「空談義」 主題は理趣分であったが・・・ 法華の「妙」と般若経の「空」はいかなる違いか。 色即是空で空に到らば 空即是色で妙に至る。 上座部の空は析空観で大乗の空とは違う存在。 上座部の空は宇宙論 大乗の空は認識論 だが大乗の…

瞋心不受悔戒

怒って人の懺悔を容器れない。 これは菩薩戒に反するといいます。 では許してほしいといったら許すのか? 許さないといけないのか? そういうことではない。 「許してほしい」と口ではいっても肝心の懺悔が見えなければ受け入れられないのです。 これは「許…

危難の処し方

何かピンチにであったら自分に聞く。 自分のなかの自分に聞く。自分の中の自分の声を拾う。 どう?大丈夫か? 妙に落ち着きがあれば大丈夫。 そうでないなら覚悟を持つ。 最後の最後は誰でも例外なく死ぬのだ。 それに比べれば大概のことは大したことではな…

寺と仏間

天台寺門宗は祈願専門の宗派だったためかあまり大きなお寺は少ない。 でもどんなに荘厳が立派であっても個人の仏間は個人の仏間。 寺はどんなに粗末でも活動しているなら寺だ。 個人の仏間は遠く及ぶことはない。 経机一つに三つ具足でも寺の方がはるかに上…

双身毘沙門天のこと

最近、新しく双身毘沙門のお像などが作られて売られているが、ほぼダメだ。この尊は八牙天王と言い牙が大事だ。 牙がどうなっているかで決まる。 よさげでもそこがダメだとダメ。 ましてや在家で買って来てお祀りするなどというものではない。

誰とでも仲良く

誰とでも仲の良い人はいる。 そういう人は攻撃されたり、悪く言われてもあえて強く抗議もしない。 「ああ、そうなんだ」でおわり 仲がよいといってもフレンドリーな態度で接してもつるんだりもしない。 それは実はある意味、人間関係を離れているからできる…

慈悲でもなければ愛でもないのでは?疑う大事

アドラー心理学でいう他人の課題。 自分の問題でないのに必要以上につっこんでしまう。 自分と他人の境界線がブレている。 宗教家でもそれこそ慈悲だとか愛なんだとか思っているうちは何も見えてこない。 でもやがてトラブルになってそれの正体がわかる。 最…

学校に行くのがいいですね

電話で「興味があって密教を勉強したいと思うんですが…信仰とかは抜きにしてやりたいんです、そういうのはダメですか?」という人がいた。 「いいんじゃないんでしょうか。学問としてみるのもありでしょうから。」 「大丈夫ですか?」 「え、それって拙寺で…

仏像開眼 裏話

仏像の開眼を頼まれると、私はお施主さんにも行を課すことにしている。 仁王経100巻とか法華経の観音経100巻 陀羅尼品100巻とか、そんな風に読経が主だ。 でも拝んでいくと素直に真言が入っていく場合とそうでない場合がある。 施主にこだわりが強く、何かに…