金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

聖天信仰

決まりは決まり

決まりだからできないと言っても何とかなりませんか?という人がいる。 例えば聖天供をして祈願してほしい。普通より余計お金を払ってもしてほしいという。 なんとかならないか? いいえ、なんともなりません。 他の方もお断りしていますといっても「そこを…

あえて伏蔵せず

何か「もめ事」があると敢えて本当のことを言わない人がいる。 自分のことはいわないで、ひたすら相手のみを責める。 それでもめ事を解決してくれという。 そういう祈願を知らないで言うがままに受ける。 基本的に神仏に頼みごとをするのに嘘や隠し事を言う…

映画「アイアムまきもと」を見て 「亡くなった方の気持ち」

www.iammakimoto.jp この映画を見たかったのは阿部サダヲさん演じる牧本という人間が市役所の孤独死の担当「お見送り課」という設定だったから。 彼は身寄りなく孤独死した人の遺骨を無縁にせず、なんとか遺族を探し出し、故人の宗教に基づき葬儀をあげると…

聖天様の五戒

聖天信仰の次第書には十善戒がない。 師匠は仏教なのだから戒がないのはおかしいということで 1貪らない 2怒らない 3愚痴を言わぬ 4素直に生きる 6正直に生きる という五つを聖天信者に守らせました。 形だけの道徳だと思っていたらおおまちがいで違背す…

近くて遠い世界の話。

聖天様への祈りが餓鬼に阻まれて…という岩手のお施主様の記事をかいたら、「ならば、聖天様はなぜその餓鬼を追い払わないのか?」という疑問もあるでしょうね。 たしかに問題のお札と聖天様の神棚は物理的にはすごく近い。 でも実は霊的な世界では全然レベル…

本尊としての聖天様

今日来られたご住職から「聖天様の本尊ってこの浴油のできるお仏像なんですか?」と聞かれた。 そんなこともない。私の知る聖天様のお寺の本尊は木像もそこそこあるし、しかも単身の本尊もある。 その場合も浴油像は金属のことが多い。それは当然油をかける…

予定されている来訪

またまた聖天様の開眼を頼まれました。 勿論個人ではなくお寺様です。 これは京都の仏具屋の社長さんがわざわざお話を持ってこられてそのご住職が縁に触れられたのだそうです。 ご住職もいろいろ不安はないではないようでしたがとにかく拝んでいこうというこ…

尊天の利益と人生の花 その2

尊天の利益を受けて人生の花を咲かせてみたい。 そう思うならどうしたらいいだろうか? まず、花を咲かせるには、現実の植物同様に丹精だ。 これと決めた道での絶え間ない努力精進。 殊に密教ではお花には「六波羅蜜」の内「忍辱波羅蜜」と言って風雪に耐え…

尊天の利益と人生の花

わが師の浴油のお師匠様は即真周湛お座主だったと聞く。 天部の行法はただ、知っているのみならず実際修している方から伝法を受けるのが良いとされる。 さいわい即真座主はこれを修しておられた。 それで東京の聖天さまのお寺に行くならと聖天供を御伝法下さ…

聖天話 「大根」のおさがり

西陣聖天の谷田師といっしょに山崎の聖天様にお参りさせていただきました。 その後、西陣聖天様で霊によって聖天様話。 「大根どうしてます?」という話題。 聖天様の三大供物はお酒、歓喜団そして大根です。 このうち歓喜団は日持ちするし、珍しいので信徒…

天尊は知っている。

人の口は便利なもので自分の事情しか語らない。 恥ずかしいことだが私もたぶん同じようなものだろう。 だから事情を聴いても人は自分びいきで話するから本当の本当はわからず祈願に臨むこともある。 そんなことで昔は懐疑的に思いながら祈祷することもあった…

聖天尊をなめてはいけない

私の師匠の寺で「道切」をたくさん頼んでいた女性。 道切というのは悪人や怨敵が来ないお札。 ところが当の本人が詐欺だった。 警察や債権者が来ないよう祈っていたらしい。 結局、逮捕された。 お金を払えば、なにをしてもどこまでも味方というのは人間、そ…

慢心の21世紀

天尊の原型はインドのガネーシャ神であることは知られています。 インドの伝統的な教えでは今はカリユガという暗黒時代。 ガネーシャはドゥームラケートゥという神になってアピマーナ―阿修羅という悪神を殺すのだそうです。 この悪魔は慢心の象徴であるとい…

聖天様のバカンス

皆人間は夏休み、冬休み、ゴールデンウイークなどにバカンスに行くが、聖天様にもそれは必要だ。 年に一回くらいの浴油をするととてもお喜びになる。 聖天様の祈願寺ならそれは日常茶飯事だが、大きいお寺でも日ごろ聖天様を拝んでいないところは年に一回く…

聖天様は誠の気持ちは忘れない

わが師は「聖天さんはお舅さんと思え」と言われた。 神様であるから、そこを忘れて気やすく扱えると思えば手痛い目に合う。 多少の派手なご利益があった程度で「自分と聖天さんはツーカーだ」というような、舐めた戯言を言えば必ず天罰を下し戒める。 かとい…

聖天様は株主

それは志を立てること。 聖天様に最も相応な祈願はそれである。 ただの金もうけなど聖天さまにしてみれば興味はない。 どこまででいってもそういうとこから一歩も出ない人は 「なんだ、こ奴、つまらぬ奴だな」と言って聖天様は興味を失う。 そうなれば尊天も…

拝んで顔を良くする祈祷?

昔、顔がまずいので恋人ができないという男性が来た。 相談者「僕、顔まずいんで彼女できないんです。拝んだらできますか?」 私「さあ・・・わかりませんけど、たとえ、できても続かないでしょう」 相談者「なぜですか?何かに呪われているんでしょうか?」…

我ただ足るを知る

「我ただ足るを知る」という言葉があります。これは欲しがらないで我慢の意味にとられますが、本当にこのことがわかるにはまず足らないといけない。 足りるまでは聖天さまは面倒見てくださる。だがそこから先は違う。企業でもシェア独占で儲けるだけとことん…

聖天信仰の行きつく先

私の師匠は現世利益追求の聖天信仰の先には観音信仰がでてこなくてはいけないといっていた。 自利から利他の菩薩行へのシフトがなくてはいけない。 昔は聖天信仰で大願成就した大事業家や一流人などは邸内に観音堂を建てた。 聖天堂ではなく、本地の十一面堂…

浴油の温度

古来浴油の温度は人肌くらいという。 ですが、私は高めにしています。 わが師匠の浴油は一回も拝見したことがないのですが、時に内陣から天ぷらでもあげているのかというような油のはぜる音がしたのを憶えています。 余り温度を上げたら熱くて尊像が持てない…

清浄歓喜団 持寶庵さんのブログ

jihouan18.hatenablog.com

細かい設定は任せて

聖天様には志を祈る。 事業家として立ちたい。 音楽家として立ちたい。 シェフになりたい。 政治の道に行きたい。 宗教家として立ちたい。 そういう大きなことを祈るべきだと思っています。 そうすればそういう方向に始動しだす。 だけどそれに付随してあま…

聖天浴油 油の温度

今日の伝授で油の温度が大事と聞きますが何度くらいで、どうやって測るかと聞かれました。 大概は多羅のふちや側面を触ったりして察せよというけど…要は体で憶えてもらいたいというのが本当でしょう。 感応道交してくれば触ることをしなくても自然と暑すぎれ…

選択肢の話

東大に落ちたので絶望して人を殺して死のうとした人がいた。 身勝手な悪人という以前に愚かな人だ。哀れな人だ。 こんな考えの人が東大に入ったにしても何ほどのこともあるまい。 私など大学に行けたことだけでも有難いと思っており、到底その心境はわからな…

花水供の謎

明日は聖天浴油供の伝授です。 長年聖天様の花水供をしてきた方に授けられるのは聖天を祈るものとしておおきな喜びです。 この花水供というものですが実際は皆「如法供」をそう呼んでいることが多い。 先日伊矢野師とお話して「聖天略念誦作法」ってこれが実…

聖天様を数に入れる

私の師匠が良く信者さんにいっていたことに聖天信仰したら「聖天様を数に入れる」ということ。 家族の数に入れる。 おいしそうなものなら人数+一つ買う。 よそに遊びにいったら聖天様に少しでいいからお土産を買う。 そうやって家族の数に入れることで諸天…

聖天さまを拝む定め

ある有名な聖天さまのお寺が競売に出ているらしい。 きっかけはご住職が寺に養護老人施設を作ろうとして失敗したらしい。残念だ。 養護老人施設をつくることは決して悪いことじゃない。 悪いどころか、老人が多くなってきている世の中のために実に素晴らしい…

進歩のない信仰

聖天さまは気前がいい。 最初は「俺の利益はこんなものだ!」とドドンとご利益くれる。 だからそのたびに甘えて祈る。 だけど、どこまで行っても志のない祈り。 単純な自分の欲願だけしか追及しないなら…聖天様の目の色は暗く恐ろしい色に変わる。 祈願の大…

志なき願いは大願に非ず

昨日に引き続き京都に残り、あるお寺様で不動尊花水供の御伝授をさせていただいた。 阿闍梨さんではあるが初心のお坊様でしたので、少し聖天さまの話をさせていただいた。 「あなたはどういう風になりたいですか?」 「チャンと神仏を拝めるようになりたいで…

プレゼント

大きな聖天様を浴油した。 大変喜んでくださった。 思うにこの聖天さまをお祀りしている人は私とはまた違った運をつかむだろう。 人には伸ばせる運とそうでない運がある。 伸び悩む運を何とかしたいと思うのが人情だが、多くの場合は徒労だ。 ある意味、聖天…